2011年7月アーカイブ

外国為替証拠金取引(通称:FX)を事業所得として確定申告できるか否かの判断は難しい問題ですが、ここに一定の判断基準となる採決があるので紹介します。

平成22年2月16日裁決事例集No.79によると、

請求人は、請求人が行った外国為替証拠金取引が、その取引回数が約1,400回であり、取引金額が1億3千万円を超える規模であり、1日に費やす時間も平均15時間に及ぶことなどからみて事業所得を生ずべき事業であると主張し、所得税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分の取り消しを求めた。

これに対する裁決の要旨によると、
①一般に外国為替証拠金取引は投機性の高い取引であり、継続的に相当程度安定した収入が得られる可能性が乏しく、本来事業になじみがたい性格を有するものであること
②請求人は、自らが代表取締役を務める法人2社からの役員報酬により生計を立てていること
③請求人は、インターネット情報などを参考に取引を行っているが、外国為替証拠金取引の企画遂行に当たって相当程度の精神的・肉体的労力要していると認められないこと
④外国為替証拠金取引のための積極的な資金調達が認められないこと
⑤外国為替証拠金取引を反復継続して行うための人的物的設備を有していないことが認められること

これら①~⑤のことを考慮すると、請求人が行った外国為替証拠金取引は、事業として社会的客観性がいまだ認められず、「対価を得て継続的に行う事業」に該当するということはできない。つまり、雑所得である。として、請求人の主張を退けました。

今回の裁決では、請求人は代表取締役を務める2社からの役員報酬によって生計を立てており、これがいわゆる本業であり、FXはあくまでも副業であるという点が特に重視されたのではないかと思います。

それに加えて、FXでは損失が出ており、給与所得と損益通算することで総所得がマイナスとなっている点も当然ながら問題とされたでしょう。

もしも、請求人には給与所得がなく、かつ、FXによる所得がプラスであったとしたのならば結果は違っていたのかもしれませんが、このような裁決が出た以上、FXによる所得を事業所得として認めてもらうためのハードルは高くなったと言わざるを得ないでしょう。

参考:国税不服審判所該当ページ

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所

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しかし、繰延資産とひと口に言ってもその範囲は広いものです。例えば、開業費、新製品や技術などを開発するための試験研究費、新技術の採用や市場開拓などを目的とした開発費、建物を賃借するための権利金、商店街の共同アーケードの負担金、広告宣伝用の看板を贈与したときの費用など。これらの費用のうち、その支出の効果が1年以上に及ぶものについては、税務上では繰延資産として取り扱います。

法人と個人事業者とでは償却方法が異なりますが、いずれにしても数年かけて償却する資産となるので、支出した事業年度における一時の損金とすることはできません。

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所