法人税: 2011年2月アーカイブ

近年、短期入院精密身体検査、いわゆる「人間ドック」は大分日本人の生活に定着してきています。この人間ドックは、よく会社などで行われる定期健康診断に比べて検査項目が多く、詳細に身体の健康状況を把握できるため、いち早く病気の芽を摘むことができます。可能ならば毎年でも受診したいところですが、一般的な日帰りの人間ドック検診にかかる費用は、安いものでも3万円程度。高いものだと7~8万円かかるケースもあり、サラリーマンがおいそれと受診出来るようなものではありません。

そこで、社員に対する福利厚生の一環として、一定年齢以上の役員および従業員を対象とした人間ドック検診を社内規定に盛り込んでいる会社もあります。この人間ドック費用を会社が負担した場合、その経済的利益に対して所得税は課税されるのでしょうか。
会社が負担する人間ドックのための費用は、原則として給与扱いとなります。ただし、①全従業員または一定年齢以上の従業員がすべて対象であること②検診内容が一般的なもので、費用が著しく高額でないこと――などの条件を満たしていれば、給与課税しなくても差し支えないとの取り扱いになっています。

ところで、業務上やむを得ず指定日に受診できなかった社員に対し、後日、人間ドック費用相当の現金を支給してしまった場合、支給した現金が著しく高額でなく、支給を受けた社員がきちんと人間ドックを受診したのであれば給与課税の必要はないと考えてしまいがちですが、これは誤りで、金銭での支給である以上は給与扱いとなり、所得税の源泉徴収が必要となります。あくまでも会社が負担することが肝要です。

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所

中小企業には、事業の再生及び活性化を支援する目的で、中小企業投資促進税制と中小企業等基盤強化税制という2つの制度があります。
この2つの制度では、一定要件を満たす設備投資を実施した場合、通常の減価償却と合わせて「30%の特別償却」又は納付すべき法人税額が減額される「7%の税額控除」の適用を受けることができます。事業者は、いずれか一方のみしか選択できません。選択は、事業者の自由です。
それでは、この両者の適用内容及びその効果がどのように違うのか、また、選択する際の判断は何なのか等、その諸条件について検討してみます。

◆特別償却と税額控除
(1)特別償却
特別償却は、設備の取得した年度に、取得価額の30%の償却を認めるというものです。普通償却であれば、取得した年度の償却は月割が原則ですが、この特別償却は、期末に取得しても30%の償却ができます。
そのため、取得した事業年度の減価償却費は、通常の事業年度よりも多く計上(損金算入)でき、その期に納付すべき法人税額が少なくなります。
(2)税額控除
税額控除は、原則、取得した事業年度に、設備の取得価額の7%をその事業年度の法人税額から控除することを認めるというものです。但し、控除額には限度があり、その期の法人税額の20%が限度です。

◆いずれを選択するかの判断は?
特別償却といっても、設備の耐用年数を通じた全体の減価償却費の大きさには何ら変わりありません。従って、2年目以後の減価償却費を1年目に先取りしているだけなので、特別償却すると2年目以後の償却費は減ってしまいます。つまり、課税が繰り延べられているにすぎません。
一方、税額控除は、算出税額から投資額の一定割合を控除するだけなので、減価償却費に影響はなく、純粋に減税効果が得られます。
いずれを選択するかの判断ですが、安定的に黒字決算が継続できると予期されるのであれば税額控除が有利といえます。
しかし、当期に利益がでているが、来期以降の業績が見えない場合や赤字決算が予想されるような場合、利益があるうちに特別償却を選択し税額を減らすという考え方もあります。

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