2011年4月アーカイブ

相続により取得した財産が地震等の大震災により甚大な被害を受けたときは、現法上、災害減免法による相続税の減免措置があります。
手続きとしては、その被害が相続税の申告期限前と申告期限後によって異なります。
なお、適用にあたっては、被害割合について一定の要件があり、当該要件は申告期限前でも期限後でも同じです。
(適用要件)
1.取得した財産の価額の内、被害の割合が10分の1以上であるとき。
2.取得した動産等(金銭及び有価証券を除く等)の価額の内、当該動産等の被害の割合が10分の1以上であるとき。
上記要件は、相続人ごとに判定し、いずれかに該当すればよいことになっています。

◆申告期限前と申告期限後の取扱い
被害が申告期限前であれば、被害相当額は課税財産の価額から控除して相続税額を計算します。
一方、被害が申告期限後であれば、被害相当額に対応する相続税額が免除されます。   
しかし、この免税は、延納などによる未納税額がある場合に限り適用され、完納されていれば適用されません。
ここが問題です。相続税を金融機関等から借入れて全額納付し、必死にその借入金を返済している相続人であっても適用されないことになっています。
そこで、今回の東北関東大震災に伴う特例法の制定にあたっては、一定期間を区切り、相続により取得した財産に変動がない限り、完納している場合でも何らかの減免措置を講ずべきものと考えます。

◆被災した地域の土地の評価
阪神淡路大震災の被災者等の特例法では、指定地域内にある土地等については、震災直後の価額で評価できることにしました。具体的には、相続発生が震災前年であっても、震災年度の財産評価基準に定める通常の路線価または倍率に、調整率を乗じたものでした。
しかし、今回の震災は、土地そのものが震災により損失を受けた、まさに物理的損害(隆起、陥没、亀裂等)の存在は無視できません。それ故、調整率等の算定にあたっては、その実情を十分に反映されるべきものと考えます。
また、今回の特例法制定においては、大震災直後に発生した相続についても申告期限の延長を認めるべきと考えます。

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所

過大役員給与の損金不算入については、法人税法において下記のように定められています。

~~~~法人税法第34条第2項より~~~~
内国法人がその役員に対して支給する給与(前項又は次項の規定の適用があるものを除く。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
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具体的にどのような場合に不相当に高額であるのかと判断されるかは、法人税法施行令において定められており、要約すると次に掲げる金額のうちいずれか多い金額が過大な役員給与として損金不算入になるとされています。

~~~~法人税法施行令第70条より~~~~
イ.役員に対して支給した給与の額が、当該役員の職務の内容、その内国法人の収益及びその使用人に対する給与の支給の状況、その内国法人と同種の事業を営む法人でその事業規模が類似するものの役員に対する給与の支給の状況等に照らし、当該役員の職務に対する対価として相当であると認められる金額を超える場合におけるその超える部分の金額(実質基準)

ロ.定款の規定又は株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものの決議により役員に対する給与として支給することができる金銭の額の限度額若しくは算定方法又は金銭以外の資産の内容を定めている内国法人が、各事業年度においてその役員に対して支給した給与の額の合計額が当該事業年度に係る当該限度額及び当該算定方法により算定された金額並びに当該支給対象資産の支給の時における価額に相当する金額の合計額を超える場合におけるその超える部分の金額(形式基準)
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実質基準に該当する場合として、同族会社に絞って例をあげると、
①会社の役員である両親に、実際にその法人の職務にほとんど従事していないにもかかわらず、「良き相談相手」であることを理由に高額な役員報酬を支払っている。
②会社の役員である息子はまだ学生であるにもかかわらず、代表取締役よりも高い役員給与を支給している。
など、常識的な範疇を明らかに逸脱している場合には、この実質基準が発動する可能性は高いと言えます。
なお、類似業種に比べて著しく役員給与が高額という理由のみで実質基準が発動するケースは極めて稀です。

形式基準については、定款に記載した役員給与の限度額や、株主総会によって決議された役員給与の額よりも実際に支給した役員給与の額が多かった場合に、その超えた金額が不相当に高額であるとされるものです。これは、単純なミスによって生ずる問題ですので、定款や株主総会議事録等はきちんと把握しておく必要があります。

過大役員給与についての具体的な事例については下記を参考にしてください。

参考:
国税不服審判所該当ページ
国税庁該当ページ

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所