satotax: 2011年3月アーカイブ

会社経営に法的トラブルは付きものです。訴訟社会に突入した昨今ではトラブルの対処の仕方一つで命取りにもなりかねないため、中小企業の間でも弁護士との顧問契約を検討する動きが目立ってきました。また、特許権などの重要性が広く認知され、これによるビジネス展開も増える中で、こうした知的財産権などの侵害に対する一種の“防衛費用”として弁護士とのパートナー契約を検討するケースも多いようです。

ところで、弁護士に対して支払った費用については、その具体的な内容によって税務上の取り扱いが微妙に異なるので注意が必要です。
例えば、月々の顧問料については、期間の経過に応じて損金に算入します。顧問料は特定のサービスを受けるために支払った対価なので、1年分まとめて支払っても短期前払費用の特例を適用することはできません。
また、訴訟の着手金となると取り扱いが違ってきます。例えば特許権侵害による損害賠償請求をするために契約した弁護士に対する訴訟の着手金については、支出日の属する事業年度で損金に算入します。着手金は訴訟の勝ち負けにかかわらず支払われるものであり、一種の「防衛費用」という性格も持ち合わせているためです。

そして、訴訟に勝った場合に支払う成功報酬金については①債務が成立している、②給付すべき原因となる事実が発生している、③金額を具体的に算定できる――という3つの要件を満たす日の属する事業年度の損金の額に算定することになります。なお、成功報酬に限らず、一定の事実が支払要件となるものはすべてこの要件を満たす日の属する事業年度での損金となるので覚えておきたいものです。

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所

3月12日付で国税庁より青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県については国税に関する申告・納付等の期限の延長が行われることになりました。該当する地域に関しては、3月11日以後に到来する申告等の期限が、全ての税目について自動的に延長されます。

それ以外の地域については、期限の延長はされていませんので、地震によって被害を受けた方で申告期限までの申告、納付が困難な場合には、できるだけ早く税務署で相談されることを勧めます。

参考:東北地方太平洋沖地震関連情報

本日、三陸沖を震源とする大地震が起こりました。

被災地域の方々の安全を心よりお祈りするとともに、確定申告期限が間近であることから、災害による申告、納付等期限延長の方法についてお知らせいたします。

地震などの天災、災害その他やむを得ない理由により、確定申告書や届出書の提出、税金の納付などが期限までにすることができない場合には、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することによって、その期限を延長することができます。

具体的には、申告・届出については地震などのやむを得ない事由がやんだ日から2月以内の範囲で延長することができます。納税については、原則として1年以内の範囲で猶予を受けられます。

この申請が通るか否かについては、申請者の被災状況等の実情に照らして妥当と認められるか等を審査するとのことですが、地震により大きなで被害に遭われた方々についてはほぼ通るものと思われます。

災害による申告、納付等の期限延長申請書の提出先は、納税地を所轄する税務署長、提出期限は原則として災害がやんだ日から1ヶ月以内となっています。

参考:国税庁該当ページ

なお、平成19年の新潟県中越沖地震の際には、国税庁長官が地域を指定して、申告期限等の延長の措置をとりました。今回の三陸沖の大地震についても、申告期限等の延長の告示が出るものと思われます。

板橋区の税理士 佐藤税務会計事務所

今回は家族名義預金への積立で失敗する理由、連年贈与で課税されるのかなどについて解説しています。

安易な贈与で大失敗。

贈与税の基礎控除は年間110万円です。
基礎控除以下の贈与については贈与税がかからないわけですから、毎年100万円程度の贈与を10年20年と続けることを考える方もいます。

例えば、ふたりの子供に毎年100万円の贈与を20年間続ければ、4000万円もの金額が無税で贈与できるわけです。

しかし、ただ単純に子供や孫名義の預金に毎年100万円を振り込めばそれでいいのかといえば、そのような安易な考えでは後で大変なことになります。

まず、贈与とは民法549条によって、「自己の財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれに受諾することによって成り立つ」と規定されています。

つまり、親が子供名義の預金に「勝手に」お金を入れていた場合、そもそもこれは贈与ではありません。

また、子供がそのことを知っていたとしても、それを子供が受諾していない場合や、その通帳と印鑑の管理は親が全て行っており、子供は自由にもらったお金を利用できる状況でない場合(これではあげたとは到底いえません。)には、これも贈与ではありません。

この場合には、通帳の名義は子供の名前であったとしても、それは親の財産であって、贈与は成立していないと言えます。

従って、この場合に親が亡くなれば、子供名義の通帳は「親の財産」として、相続税の課税の対象になりますし、

生前に子供に通帳と印鑑を渡したとしたら、「その時点で贈与が成立」したことになり、預金の残高に対して一気に贈与税がかかります。

そのようなことを防ぐためには、必ず、
①贈与のたびに贈与契約書を作成し、親と子供が直筆で署名押印する。万全を期するならば、公証人役場で確定日付を取る。
②通帳も印鑑も子供が管理し、貰った金額は子供が自由に利用できるようにする。
など、少なくとも民法に規定する贈与を有効に成立させ、それを客観的に証明することができる書類を作成しておく必要があります。

参考

名古屋地方裁判所(平成2年3月30日、昭和62年(行ウ)第7号)
被相続人は、相続税の課税を回避するため、原告ら名義を使って本件定期預金の積立てを開始し、途中友人の税理士である訴外Aの助言を入れて、贈与税がかからないよう、その非課税限度額内で預金を続けたが、その管理、運営及び払戻しについては、すべて自らの判断で行っていたものであり、一方、原告らはその名義が使用されていたほかは本件定期預金の形成、運営又は使用に関与することはなかったのであって、かかる場合、本件定期預金は被相続人の財産であって、本件相続財産に帰属すると認めるのが相当である。

連年贈与の問題もあるといわれているが。

さて、ここまでの問題を慎重にクリアしてきたとしても、世間でよくいわれる「連年贈与」の問題が残ります。

連年贈与とは、贈与を毎年繰り返し行うことをいうのですが、

「毎年100万円を贈与してこれを10年間続ける場合には、1,000万円の贈与を分割払いにしたにすぎないとして、1,000万円に対して課税される可能性がある。」

世間では一般的にこのようにいわれています。

だからそれらの問題をクリアするために、「贈与する金額は毎年変える」とか「たまには贈与税を払う」とか「たまには贈与しない年も必要」だとかいわれています。

本当に連年贈与に課税されるのか?

しかし、これらの連年贈与に対して課税されるという考え方は無理があるように思います。

そもそも、連年贈与に対して課税する根拠となる条文も通達も存在していません。
(1,000万円を贈与し、毎年100万円ずつ分割で支払う旨の契約書を作っていれば当然課税されますが。)

課税されるのは、「そもそも贈与ですらなかった」からです。民法上の贈与がきちんと成立しており、なおかつ、贈与の証拠もきちんと残しているにもかかわらず、「連年贈与であること(毎年贈与していること)」のみを理由に課税された事例などというのは知りうる限りではありません。
(もしあったら教えてください。)

平成23年2月18日に判決のおりた、武富士の元専務への贈与税決定処分取消等請求事件の判決文の末尾には以下のように記載されています。

「納税は国民に義務を課するものであるところからして、この租税法律主義の下で課税要件は明確なものでなければならず、これを規定する条文は厳格な解釈が要求されるのである。明確な根拠が認められないのに、安易に拡張解釈、類推解釈、権利濫用法理の適用などの特別の法解釈や特別の事実認定を行って、租税回避の否認をして課税することは許されないというべきである。」
参考: 最高裁判例

たとえ贈与者の心の中では「1,000万円を10年間に分割して100万円ずつ支払う。」という考えであったとしても、毎年の贈与について、その都度契約書を作成するなど証拠をきちんと残している限り、課税される筋合いなどないのではないのでしょうか。

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確定申告は税金を納めて完了することはいうまでもありません。
所得税の納期限は申告期限と同じ3月15日、消費税の納期現は3月31日までとなっています。
税務署から納付書の送付や納税通知書などのお知らせはありませんので、納期限までに最寄りの銀行や郵便局、所轄税務署に出向き納付しなければなりません。
納期限を過ぎてしまいますと無駄な税金を払うことになりますので、くれぐれもご注意ください。
また、振替納税を利用している人は、確実に銀行口座から引き落されるよう、あらかじめ指定口座の残高を確認し、振替日の前日までに納税額に見合う預貯金額を用意してください。

今年の振替日は、所得税が4月22日(金)、消費税及び地方消費税が4月27日(水)となっています。
1円でも足りないと振替ができないことになり、納税のために延滞税も加えたところで銀行や税務署に足を運ぶことになってしまいます。
したがって、納期限までに納税できないと、納期限の翌日から完納の日までの間の延滞税と本税をあわせて納付することになります。

振替納税についても、残高不足などで振替ができなかった場合には、同様に納期限までさかのぼってその翌日から延滞税がかかります。
延滞税は、3月16日から5月15日までの2ヵ月間は年4.3%、それ以降は年14.6%の割合でかかりますので、期限内に納税してください。

ところで、振替納税制度は、一度振替納税を選択すれば、次年度以降も特段の手続きをせずに継続して利用できることはよく知られておりますが、「振替納税は税目ごとに利用する、しないを選択できるようになっている」ことを知らない納税者が結構いるようです。
つまり、所得税のみ振替納税を利用していた場合、消費税等については別途、手続きをしないと振替納税が利用できないことになりますので、該当されます方は、一度ご確認ください。
例えば、消費税の新規課税事業者となった納税者が消費税の振替納税を希望する場合には、3月31日までに税務署または金融機関に口座振替の依頼書を提出する必要があるので注意してください。
たとえ勘違いであっても、期限後申告となれば無駄な税金を納めることになってしまいます。

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企業活動を行う上で発生する、貸付金や売掛金といった債権は、相手方の破綻などに伴い回収に支障を来す危険性があります。そのため、あらかじめ「貸倒引当金」として損金を計上することができます。
一方、金融機関に預け入れられた預金は、返還請求権が認められた寄託債権に該当し、貸倒引当金を計上したり、預金の元本に対して貸倒損失を計上することは想定されていません(法人税基本通達11-2-18)。

ところで、平成17年のペイオフ解禁によって、金融機関が破綻した場合、決済用預金以外の預金は元本のうち1千万円以下の金額のみを保護の範囲とするよう改正が行われました。これにより、1千万円を超える預金は金融機関の財産の状況に応じて弁済が行われるとともに、その一部については切り捨てられる可能性が出てきました。つまり、1千万円を超える部分については「貸し倒れる」可能性が生じたわけですが、この場合の貸倒引当金の扱いについて、特段の見解は示されていませんでした。

しかし、このほど公開された文書回答事例により、金融機関が破綻し民事再生法において再生手続開始の申し立てが行われた場合は、保護対象となっていない部分の50%に相当する金額に達するまでの金額を、貸倒引当金として再生手続き開始の申し立てがあった日の属する事業年度の損金の額に算入することができると整理されました。
民事再生法における再生手続開始の申し立てが行われた場合には、個別評価金銭債権はその50%に相当する金額を必要経費に算入することができるとされており(法人税法施行令96条1項3号ロ)、これに準じるのが相当であるとされたためです。

参考:金融機関が破綻した場合における預金保険制度による保護の対象外の預金に係る所得税及び法人税の取扱いについて

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健康診断や人間ドックの費用は、病院に支払うものであるため、医療費控除の対象になるのではないかとお考えになられる方もいらっしゃると思います。

基本的には、健康診断や人間ドックにかかる費用は原則として医療費控除の対象とはなりません。

なぜならば、医療費控除の対象となる医療費は、医師又は歯科医師による診療又は治療の対価や、これらに関連する直接必要な費用に限られているからです。
健康診断や人間ドックはあくまでも体に異常がないかどうかを調べるものであり、治療するものではありません。

ただし、健康診断や人間ドックを受けた結果、重大な疾病が発見され、そのまま治療を行うことになった場合には健康診断や人間ドックの費用が医療費控除の対象になります。

この場合の診断費用は、治療に先立って行われる診察と同様のものであるとの考えからです。

参考:国税庁該当ページ

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